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合計: - 今日: - 昨日: - 氏名 所属 職種 社会人経験年数 伊野尾慧 ジャニーズ事務所 タレント、歌手、俳優 15年 経歴 2001年ジャニーズ事務所入所 2003年テレビ番組『Ya-Ya-yah』に出演 2004年J.J.Express結成 2006年期間限定ユニットKitty GYMのメンバーに選抜され、女子バレーボールワールドグランプリ2006のス ペシャルサポーターを務める 2007年Hey!Say!JUMP結成 2009年明治大学理工学部建築学科入学 2013年明治大学理工学部建築学科卒業 2015年初の主演舞台『カラフト伯父さん』上演 業務内容 やりがい 仕事への姿勢/考え方 自分らしく振舞う アイドルの自分は演じない 一般の人がしない苦労をしているかもしれないが、一般の人が経験する苦労をしていないかもしれないから自分の苦労話はしない 大学で学んだ建築の知識を生かした仕事がしたい 私生活 転機 幼少期にテレビでおいしいものを食べているアイドルが全員ジャニーズ事務所に所属していると思い、オーディションに応募した 今後の目標 参考URL https //ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%87%8E%E5%B0%BE%E6%85%A7 感想① 今アイドルはたくさんいるが、そのひとりひとりにそれまでの努力した経歴があるのだと思った。どの職業であってもそのひとの努力でつくりあげてきたものがあるのだと思った。 感想② 一流大学の学業とアイドルの仕事を両立出来ていたのは努力の証だと思います。学業で培った建築の知識をアイドルの仕事にも生かし、またアイドルの自分を演じないという新しいスタイルを生み出し人気を得ているのは凄いと思います。 関連記事 【登録タグ 】 選択肢 投票 この人材像に憧れる (0) この人材像に共感する (0) この記事が役に立った (0) 名前 コメント
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ガサガサ 唯「猫じゃらしだよ~」フリフリ 澪「美味しいご飯もあるから出ておいでー」 ガサガサッ 澪「」スッ 唯と子どもたちが見つめる中、澪が一歩踏み出そうとしたその時。 バッ! 澪「うわああああああああああっ!!!!!」 子供達「うわあああああああああああっ!!!!!」 突然、何かが飛び出し、澪は驚いて尻餅をついた。子どもたちは驚いた澪に驚いた。 唯「あっ!」 澪に尻餅をつかせたのは猫だった。しかし、捜していた純の猫ではなかった。焦げ茶色の目つきの悪い野良猫だった。 澪「違う……のか……」 野良猫は一同を一瞥すると、どこかへ歩いて行った。 「捜してた猫じゃなかったの?」 唯「うん……」 澪「…………」 澪「一体どこにいるんだ……」 澪は座ったまま、ため息交じりに呟いた。 「大丈夫だよ」 唯「え?」 唯は思わず、子どもたちの顔を見た。 「きっとその辺りに怖がって隠れてるんだよ」 「絶対に見つかるよ!」 「応援してるよ! お姉ちゃんたち!」 気がつくと子どもたちが二人を激励していた。二人は聞き入っていたが、ふと我に返った。 澪「そうだ! 残り時間も少ないんだ……!」 澪「ごめん、ありがとう!」 唯「ありがとう! 最後まで諦めないよ!」 「頑張ってねー!」 「ばいばーい!」 唯「ばいばーい!」 唯は振り返って両手を振って別れを告げた。 澪「(疲れてたから、どうかしてたんだ!)」 澪「(急がないと!)」ダッ 夕日も沈み、辺りも暗くなり始めている。それに比例して、澪たちの焦りも膨れ上がっていく。 唯「出ておいで~」フリフリ 澪「出ておいで~。お腹減ってるだろ~」 唯「いないね」 澪「…………」 純「秋山さん、平沢さん!」 唯「あっ」 二人が振り返ると、後ろに純が立っていた。純は帰宅途中のようだった。 純「まだ……見つかってないんですか?」 澪「はい……」 澪は消え入るような声で答えた。それを聞いて、純は組んでいた腕を解いた。 純「それなら私も手伝います!」 唯「え?」 澪「そそ、そんな……悪いですよっ!」 純「構いませんよ! 一緒に手伝わせてください!」 澪は少し迷ったが、今となっては手段は選べない。 澪「……それじゃあ、お願いします!」 純「はいっ!」 日は完全に沈み、空は完全に黒色で覆われている。その中で月と数多の星々が一際明るく輝いている。 タイムリミットが刻一刻と迫る。正確なタイムリミットは午後七時である。 純「出ておいで~。みんな心配してるよー!」 唯「お腹空いてるでしょ~! 出てきなよ~」 残り三分 澪「(どこにいるんだ……)」 澪「(お願いだから出てきて……!)」 澪「(仕事の成功や失敗なんかどうでもいい……!)」 澪「(ただ、あの人の悲しむ姿は見たくないんだ!)」 残り一分 唯「っ……」 澪「ぐっ……!」 純「…………」 澪「(諦めない……!)」 澪「(最後まで……!!)」グッ 澪は最後の意地で足を踏み出した瞬間 ピピー ピピー ピピー ピピー 無情にもアラームが終了の合図を告げる。 澪「あ…………!!」 唯「あ…………」 ピピー ピピー ピピー ピピー 澪が鳴り響くアラームを静かに止めた。澪は恐る恐る振り返ると、純は微笑んでいた。 純「帰りましょう」ニコッ 澪「…………はい」 鈴木家 ここに着くまでの帰路の間は誰一人として何も話さなかった。 純「終わりましたね」 唯「…………」 いつも元気なはずの唯も今は暗く俯いていた。今までも、仕事のミスがあれば落ち込んでいたが、ここまで落ち込んでいるのは初めてだった。 純「二日間、ありがとうございました!」 純「えーと、依頼の料金は……」 澪「すいませんでしたっ!」 唯「すいませんでしたっ!」 澪が大きな声で謝罪した。それを見た唯も澪に続いた。あまりにも突然の事に純は面食らってしまった。 純「ど、どうしたんですか!? 顔を上げてくださいよ!」 唯「大切なペットのはずなのに……グスッ……見つけられなくて……!」 唯は自分の不甲斐無さに悔しくて、悲しくて泣き出した。言葉では表せないような、様々な思いがどんどん湧き上がってきた。涙が溢れ出て止まらない。 澪「唯……」 泣いている唯の姿を見て、澪も目に涙を浮かべた。 突然、二人の肩に手が置かれた。顔を上げると、純が優しく笑っていた。 純「いいんです。気にしなくていいですよ」 唯「で、でも……グスッ……」 純「二人とも格好良かったです。最後まで諦めない姿勢が素敵でした」 純「それだけでも依頼して良かったと思います」 純「だから、元気出してください!」 唯「グスッ……あ、ありがとう……グスッ……」 澪「ほら、唯」スッ 澪「鼻水出てるぞ……」 差し出されたティッシュを見た直後、唯はさらに泣き出した。まるで、ダムが決壊しているかのようだった。 唯「な、なんで……グスッ……こんなにも良い人が……グスッ……こんなにも……」 ボロボロと泣いている唯を見て、純は安心した表情を浮かべた。 純「お茶でも飲んでいってください」 澪「え、でも……」 純「いいですよ、……ね?」 純は支えている唯を見てから付け加えた。澪も唯を落ち着かせる必要があると思った。 澪「それじゃあ……」 澪も唯のもう片方の肩を支えようとしたその時 「ニャー」 澪唯純「……へ?」 三人が振り向くと、小さな猫が行儀良く座っていた。 純「ああーっ!? ウチの猫だ!!」 澪唯「えーーーーっ!?」 純は急いで駆け寄り、抱き上げた。 純「どこに行ってたの!? 心配したんだからっ!?」 猫「ニャー」 純「もう……絶対に離さないんだから……」 純は泣きながら猫を優しく抱きしめた。猫を見た澪は体の力が抜けて、その場に座り込んだ。 澪「はは……良かった……良かった……」 澪が力無く笑っていると、横から小さな影が現れた。 雄猫「ニャー」 唯「へ?」 澪「この猫は……?」 純「あっ、この猫は確か向かいの家の……」 澪「そういえば、聞き込みの時に向かいの家の猫もいなくなったって言ってた!」 唯「ってことは……この猫たちは二人でデートしてたってこと……?」 澪「そう……だな……」 ドサッ 唯も体の力が抜けたのか、澪と同じ様に座り込んだ。 唯「良かった……本当に……」 澪「そうだな……」 二人は夜空を見上げた。そこには見る者を安心させる、優しい月の輝きがあった。 翌日 秋山探偵事務所 純「向かいの家の人も感謝してました。ありがとうございますって」 唯「まさか、二件も解決するとはね……」 唯「……あれ? この事務所を始めて、依頼を解決するって初めてじゃない?」 澪「あ、本当だ」 純「えぇっ! そ、そうなんですか?」 澪「はい、言ってませんでしたか?」 純「(デンジャー!! 知らなかったーっ!!)」 唯「やったーっ!!」 唯はあちこちで飛び回り、喜びを全身で表した。そんな唯を見て澪と純は微笑んだ。 澪「これからも頑張ろう!」 唯「うん! 仕事が増えるといいね!」 純「え? 仕事無かったんですか?」 澪「えぇ、今までも数件依頼はありましたけど、失敗ばかりで……」 純「(ますます、デンジャー!!)」 純「(……だけど、本当に嬉しそう)」 純「…………」 笑顔一杯の唯を見ていると、純の心もどこか暖かくなってきた。 純「……仕事初達成おめでとうございます!!」 純「それじゃあ、ここで失礼します!」 澪「気をつけてお帰り下さい」 純「はい、ありがとうございました!」 唯「またねー!」 ガチャン 唯「ふぅー……解決できてよかったぁー……」 唯「あれ?」 唯が振り向くと、澪は俯いて体を震わせている。顔は髪で隠れていて窺うことができなかった。 唯「澪ちゃん、どうしたの? 具合でも悪いの?」 澪「やっ……たぁ~~~~!!!」 澪「やった! やった! 初めてだ~!」 唯「み、澪ちゃん……落ち着いて……」 澪「落ち着いてなんていられるか!」 澪「そうだ! 記念にパーティーでもしよう!」 澪「唯、何が食べたい?」 唯「え、えーと……」 澪「えぇい! もう今日は出掛けよう! 外食だ!」 唯「え、ちょっ……澪ちゃん……」 澪「さぁ、行こう行こう!」 唯「わかったからちょっと落ち着いて。ねっ!」 ガチャン 事務所には誰もいなくなり、静寂が訪れた。事務所の扉の向こうからは、澪の陽気な声と唯の笑い声が聞こえた。 4
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JMK総合法律事務所
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翌日 秋山探偵事務所 澪「えーと、メモ帳はどこだっけ……」 唯「パソコンの横じゃないの」 唯は口元を手で押さえてあくびをした。昨晩は二人で遅くまで残っていたので寝不足気味だった。 澪「あ、あった」 澪はメモ帳を鞄に入れ、もう一度点検した。 澪「よし、準備完了だ」 唯「まだ眠いよー……」 澪「私だって眠いよ。さ、行くぞ」 唯「はーい」 中野家 純「そろそろ、来る時間だね」 梓「うん。お茶とか用意した方がいいかな?」 純「そうだね」 ピンポーン 梓「あ、来た」 梓「はい」 澪『秋山探偵事務所の秋山ですが』 モニターに畏まり、堅い表情をしている澪が映った。その横にまだ寝ぼけている唯がいた。 梓「はい、今開けますね」 梓は玄関に行きドアを開いた。 ガチャ 澪「お邪魔します」 唯「お邪魔しまーす」 梓「どうぞ、上がって下さい」 梓は二人をリビングまで案内した。 澪唯「おー……」 澪と唯はリビングに飾られている膨大な数のレコードに感嘆の声を上げた。 純「澪さん、唯さん!」 声の出所の方を見ると、ソファーに純が座っていた。 唯「あっ! 純ちゃん!」 澪「来てたんだ」 純「はい!」 純は一瞬笑みを浮かべて答えた。 澪「それじゃあ、予定を話します」 澪と唯はソファーに座った。梓と純は気を引き締めて耳を傾けた。 澪「郵便受けの周辺にこれを仕掛けます」ゴソゴソ 澪は鞄の中から小型のビデオカメラを取り出した。机の上に置くと、カメラに視線が注がれた。 澪「これを見えない場所に設置して、犯人の顔を撮影します」 梓「はぁ……」 澪「それを一週間続けてから、どのくらいの頻度で来るのか調べて、その次に犯人を直接捕まえます」 純「なるほど……」 澪「解決までに数日は掛かりますけど、構わないですか?」 梓「はい、解決できるのなら!」 澪「わかりました。じゃあ、カメラの設置を始めましょう」 ~~~~~ 澪「よし! 設置完了しました!」 唯「暑い~……汗びっしょりだよ~……」 澪と唯は炎天下の中、カメラの取り付け作業を終えた。夏の日照りで二人は全身汗まみれになっていた。 カメラを三台設置して、犯人の顔を撮り逃す事の無いように注意を払った。 梓「お疲れ様です、中に入って休んでください」 唯「はぁ~……どてっ……」 唯はリビングに入った瞬間に大の字になって寝そべった。クーラーが苦手な唯のために既にクーラーは切ってあった。 梓「紅茶入れたのでどうぞ飲んでください」 澪「ありがとうございます」 唯「これで生き返るぅ~……」 澪がカップに触れると、とても冷えていた。そのせいか、疲労でぼんやりとした意識が覚醒した。一口飲むと、澪は生き返ったようになった。 澪「あー……美味しいー……」 澪はこの至福の時をゆっくりと満喫した。どこか遠くから蝉の鳴き声が聞こえる気がした。 ~~~~~ 澪「それじゃあ、今日から録画を開始して明日の昼頃に回収して、メモリーカードを交換しますね」 澪「撮影した映像は事務所で確認させてもらいます」 梓「はい、お願いします」 澪「それじゃあ、失礼します」 梓純「ありがとうございました!」 唯「またねー!」 唯が笑顔で二人に手を振り、別れを告げた。 唯「何だか本格的になってきたね!」 澪「うーん……最初の頃を考えるとそうだなぁ」 澪は顎に手を当てて考え込むような仕草をした。その横顔を盗み見た唯は微笑んだ。 唯「でも、梓ちゃんのためにも頑張らないとね!」 澪「うん、絶対に犯人を突き止めよう!」 唯「うんっ!」 唯は元気よく大きな声で返事をした。その次の瞬間 唯「あれ?」 唯の中である違和感が生まれた。自分にとって何か重大な事を見落としている、そんな予感がしていた。 唯「……調査期間は一週間だったっけ」 澪「え? あぁ……」 澪「一週間“毎日”だ!」 唯の体に強力な電撃が走った。澪は魂が抜けかけて、放心状態になりつつある唯の顔を覗き込んだ。唯の体は小刻みに震えていた。 唯「ににっ、日曜日も……?」 澪「もちろんだ!」 唯「」 澪は当然とばかりにきっぱりと言いのけた。それを聞いた唯は完全に魂が抜け出してしまった。 澪は抜け殻と化した唯を引きずるようにして事務所まで連れて帰った。 翌日 中野家 ピンポーン 梓『はい』 澪「おはようございます。秋山です」 梓『あっ、今行きます』 ブッ 唯はカメラの状態を確認した。移動した痕跡は無く、誰にも気づかれてはいないようだった。 唯「カメラは大丈夫だよ~」 澪「よし、ばれてないみたいだな」 ガチャ 梓「おはようございます」 澪「今日は手紙は来てませんか?」 梓「今日はまだ来てないです」 澪「そうですか。じゃあ、メモリーカードを持ち帰って事務所で確認しますね」 梓「お願いします」 澪は鞄の中から三枚のメモリーカードを取り出した。唯が録画停止ボタンを押して、ビデオカメラからメモリーカードを抜き取った。 澪「これでよし……っと」カチッ 澪は新たなメモリーカードを差し込み、録画開始ボタンを押した。映像が正しく撮れてるかどうか確認した後に梓の方へ向き直った。 澪「じゃあ、明日もよろしくお願いします」 梓「はい」 唯「またね~、梓ちゃん!」 唯はいつものように元気よく手を振り、梓はそれに笑顔で答えていた。 秋山探偵事務所 唯「手紙は来てないのに確認するの?」 澪「あぁ、もしかすると、犯人が中野さんの家の周りをうろついているかもしれないしな」 唯「なるほど」 澪はノートパソコンにメモリーカードを差し込んだ。 澪「よし、準備完了!」カチカチッ 澪がマウスをクリックすると、再生ボタンが表示された。 唯「映像が3つあるって忙しそうだね……」 澪「だから、二人で見るんだろ」 唯「あと一人誰か欲しいよ~……」 唯はブーブー文句を言いながら澪の隣に腰掛けた。 澪「見てる最中に、気づいた事があれば停止ボタンを押すから言ってくれ」 澪「それじゃあ、再生するぞ」スッ 唯「待って! 澪ちゃん!」 澪「ど、どうしたんだ?」 唯が突然、大声を出したので澪は思わずマウスへ伸ばした腕を引っ込めた。 唯「トイレ行かせて!」タタタッ 唯は澪の返事を待たずにトイレへと駆け出して行った。トイレの扉が閉まる音を聞いた澪は一人静かにため息をついた。 澪「(確かに、助手が唯だけじゃ不安だな……)」 澪「(あと一人ぐらい助手が必要かな……)」 澪「……って仕事もほとんど回ってこないのにかわいそうか」 澪は静かに呟いた。その声の調子は諦め混じりだった。 唯「ふぅ~お待たせ~」 澪「まったく……」 ため息こそついたものの、澪の感情に怒りは無かった。 澪「始めるぞ」カチカチッ 3つの映像が同時に再生された。澪と唯は食い入るように画面だけをじっと見つめた。映像の中は通行人や車が通り過ぎるだけで、変化は特に無かった。 唯「何も起きないね」 澪「監視カメラも普段はこんな感じなんだろ」 唯「そうなのかな」 その後も似たような光景がしばらく続いた。 車、人、車、人…… 唯「ねぇ、澪ちゃん」 澪「……なんだ?」 唯「その~……早送りはどうかなぁ~と思いまして……」 唯は遠慮がちにどこかの店員のように両手を組んで提案した。澪は停止ボタンを押して大きなため息をついた。 とは言え、澪も単調で大きな変化もない映像にどこか退屈してきていた。 澪「じゃあ、少しだけだぞ」カチッ 澪がクリックすると、本来の映像よりも少し早く動き始めた。 澪「早くなったから注意しないとな」 唯「うん、わかってるよ」 再び、二人は画面に注目した。少し早くなっただけで、やはり目に留まる変化は無かった。 映像の中は辺りが暗くなり、夜になった。普通なら見えなくなる可能性もあるが、近くの街灯のおかげで映像は鮮明に映っていた。 澪「やっぱり来るとすれば夜かな……?」 唯「私が犯人だったらバレないように夜に行くかなぁ」 澪「(人目を気にするのなら、普通は夜を選ぶはず……)」 澪「(もし見られても、薄暗いし顔もバレる確率は低い……)」 ~~~~~ 結局、映像は夜を過ぎて明け方になり、朝になって回収する時間までに犯人らしい怪しい人物は映っていなかった。 澪「ふぅー……」 唯「長かったね」 澪「そうだな」 流石の澪も普段とは違った疲れを感じていた。唯は隣で伸びをしていた。 澪「今日は帰ろうか」 唯「うん、お腹空いた~」 唯は疲れきった表情をしながらお腹を擦った。 唯「今日の晩ご飯はなんだろう~」 唯「一週間仕事が続くって言ったら、今日はご馳走にするって憂が言ってたんだ!」 澪「憂ちゃんって唯の妹だっけ?」 唯「うん、何でもしてくれて優しいんだよ!」 澪「何でも……」 唯がリビングで寝転んでダラダラしている姿が想像できた。 唯「そうだっ! 澪ちゃんも今日ウチでご飯食べない?」 澪「え?」 唯の突然の提案に澪は帰り支度で動かしていた手を止めた。 唯「みんなで食べた方が美味しいよ~!」 澪「唯のパパとマ……お父さんとお母さんがいるから迷惑なんじゃないかっ!?」 澪は唯と一緒に夕飯の時を過ごすのが嫌なのではなく、会ったこともない人といるのにどこか気が引けた。普段は仕事と割り切っているが、仕事が終わると、どこか消極的になっていた。 唯「大丈夫だよっ!」 しかし、唯は気にも留めない。澪の密かな悩みの種にまったく気づいていないようだった。 澪「大丈夫だよって……いきなり押しかけたら迷惑だろ」 唯「うちの両親はいつも仕事で海外に行ったりしてるから、ほとんど家にいないんだ」 澪「そうなんだ……」 唯の話を聞くたびに、澪の中での平沢家のイメージが様々なものへと変化した。 唯「憂に聞いてみるね?」スッ 唯は素早く携帯を開いて電話を掛けた。 澪「おいっ! まだ返事してないだろ!」 澪が唯に手を伸ばした。しかし、既にコール音が鳴り、澪な静かに項垂れた。 澪「う……」ガクッ 唯「あっ! 憂~? 今日の晩ご飯なんだけど、澪ちゃんも一緒に食べてもいいかな?」 唯「量が足りない? 三人で分ければ大丈夫だよ~!」 唯「わかった、ありがとう~! 今から帰るね」 パタン 唯「大丈夫だってさ!」 澪「う、うん。ありがとう……」 唯「それじゃあ、帰ろっか!」 澪「そんなに急がなくても……」 唯は澪を急かすように背中を押し、意気揚々と事務所の扉を閉めた。 平沢家 唯「ただいま~!」 憂「おかえり、お姉ちゃん」 澪「お、お邪魔します」 憂「どうぞ、上がって下さい。お仕事ご苦労様です」 澪は目を丸くして憂を見つめた。双子の様に瓜二つだったことはもちろんだが、本当に同じ姉妹なのかと疑った。礼儀正しさ、言葉遣い、立ち居振る舞い、どれを取っても唯よりも完璧にこなしていた。 ただ、雰囲気だけは二人とも同じだった。一緒にいると、どこか安心する。澪の緊張はいつの間にか解けていた。 リビングに入ると、テーブルの上にすき焼き鍋と牛肉が置かれていた。 憂「今日はすき焼きです」 牛肉やその他の具材を見て、澪は急に空腹感を覚えた。 唯「お腹空いたよ~憂~」 憂「はーい、ちょっと待っててね」 憂は嫌な顔一つせずに唯を宥めた。 憂「心配だったので買い足して来ました」 よく見ると、机の隅の方に追加分の牛肉が入ってると思われるビニール袋があった。その横には皺一つ無いレシートと小銭があった。 澪「すいません、急に押しかけたりして」 憂「敬語なんて使わないで下さいよ~」 憂は笑いながら、食事の準備を始めていた。無駄な動作は一切無かった。 忙しそうに働いている憂を見て、澪は何か手伝わなければいけない気がして立ち上がった。 澪「何か手伝うことないかな?」 憂「あ、構わずに座っていてください」 澪「う、うん。ごめんね?」 憂「いえいえ」 澪「(できた妹だなぁ……)」 澪は感心するように憂の横顔を見つめた。後ろにいる唯を盗み見ると、リビングでのんびりと寛いでいる。 唯「はぁ~……」 澪「(駄目な姉だ……)」 澪は少し微笑みながら、ため息をついた。その姿も唯らしいと思った。 6
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【プロローグ】 【臨】 少女は、どのような言葉も口にしなかった。 父の亡骸を前にして。それでも、目を逸らさなかった。 ただ、ひとしずく、頬を伝うものがあり。 そこに忍ぶ想いに、男は、彼女を守ると決めた。 自分の手に、その資格がないのだとしても。 命を賭してすら、己が許されることがないのだとしても。 【兵】 森の中を、女は走る。 影から影を伝うように。 乱れる呼吸を押さえつけるように。 こうなることは最初からわかっていた。 現代においても、否、現代においてこそ、忍びの掟は厳格で、絶対だ。 女は優秀な忍びであり、そしてその結果、多くを知り過ぎた。 だから、彼女がこの稼業を辞めようとすれば、口封じに追手が差し向けられるのは自明の理だった。 女を追い立てているのは、抜け忍狩り。 追い忍と呼ばれる者。 機密の保持のため、忍びの中でもより技量の高い者が選ばれる汚れ仕事だ。 女の頭に、最悪の想像がよぎる。 忍びの中においてなお、最悪と言われる存在。 追い忍代行で名を馳せた忍び衆。 ――不忍池忍軍。 忍びならぬものを不(ひてい)するが故に、不忍の名を負った、追い忍の里。 その鋼の規律は内部にも徹底され、先代の長すら、掟に抵触したとして処されたという。 もしや、今自分を追っているのは、その「最悪」ではないか? 湧き上がる恐怖を、後悔を、振り払うように女は首を振る。 こうなることをわかっていて、それでも女は里を抜けたのだ。 忍びは、ただの諜報員ではない。 内閣情報調査室、警察庁警備局、法務省公安調査庁、防衛省情報本部。 国内にも様々な情報機関は存在するが、そうした組織に所属する情報員、工作員と、忍者は決定的に違う。 忍者とは、業ではなく、道なのだ。 生き方を、常人とは違えることなのだ。 だから、人としての情に流されてはならない。 人としての幸せなど求めてはならない。 人でなく、一つの機構として、振舞わねばならない。 ならば、なぜ、自分は人という種に生まれてしまったのか? 一たび生まれた疑問に、女は答えを出せなかった。折り合いをつけられなかった。 その種は芽吹き、育ち、いつしか、忍びとしての彼女にひびを入れてしまった。 だから、逃げ出した。 自分は人だと。 忍びという職務ではなく、人という種こそ自分の本質だと決めた。 その決断を、やり直すことはできない。やり直す気もない。 鋭敏に研ぎ澄まされた聴覚が、背後に迫る足音を捉える。 追い忍ならば当然に、無足忍(しのびあし)の心得はあるはずだ。 にも関わらずその足音を聞き取れるということは、すぐ背後まで追いつかれたということに他ならない。 倒れ込むように身を投げ出し、体を丸めて三度地面を転がる。 髪が数本引き抜かれる痛み。相手の攻撃が頭を掠めたのだろう。 猫めいた挙動で態勢を立て直し、屈んだ状態から背後を確認する。 仕掛けてきた相手には見覚えがあった。 同じ忍び里の同僚。 忍者として将来を嘱望されながら、自己顕示欲の強い性格に難ありとして、女に出世の道を奪われた男だった。 余計な言葉は交わさない。 忍び同士の戦に、会話は不要。 何かを口にするならば、意味ある情報を求めるとき。 あるいは、言葉そのものが戦いの布石であるときのみ。 顕示欲。嫉妬。攻撃衝動。 追手の相手の表情から、女はおおまかな状況を理解した。 追い忍は、身内が刺客を出す場合と、情に流されぬよう、第三の忍軍から刺客が派遣される場合がある。 先ほど女が危惧した「不忍」の追い忍は、後者だ。 手の内がわかっている者同士では、情に流され、千日手となることも少なくない。 成功率が高いのは外部の刺客である。 それでもなお男が刺客として追ってきたということは、個人的な意趣返しのつもりだろう。出世争いで負けた腹いせ、あるいは、より鬱屈した欲望か。 焦りに跳ねる鼓動を呼吸で御して周囲を伺う。 目の前の男の他に、抑えた気配が、一つ、二つ、三つ、片手では数えられぬほど。 技量は不明。だが、忍びとしての心得のある人間が十名程度潜んでいることは確か。 そして、目の前には、女とほぼ互角の力量を持つ男が短刀を構えている。 絶体絶命。 忍者とは、奇道奇策にて力量差を覆すものだ。 弓馬を極めた誉れある武士を影で殺すものだ。 しかし、相手が同等の戦術を持つ忍者であり、数で圧倒されているこの状況を、一人でひっくり返す奇道など、女は持ちあわせていなかった。 ならばせめて。 最期まで、人として、在る。 手裏にしこんだ棒剣を構え、女は自分に残された時間を覚悟した。 そして―― しゃん、しゃん、しゃん 死を前に研ぎ澄まされた聴覚が、奇妙な音を聞いた。 【闘】 しゃん、しゃん、しゃん、しゃん それは、金属が擦れる音だ。 ならば、人が近づいているのか? だが、足音はしない。ただ、金属が擦れる音だけが、森の奥からやってくる。 迫る音からすれば、距離は相当に近い。だが、足音はない。 忍びか? であれば、無足忍(しのびあし)の技量の高さに納得できる。 だが、ありえない。忍びだとすれば、身に着けるものの音まで消すのが当然だ。 しのびの心得に、三無忍あり。 曰く、一に無足忍。忍びは足音を無にせねばならぬ。 曰く、一に無息忍。忍びは息音を無にせねばならぬ。 曰く、一に無臭忍。忍びは体臭を無にせねばならぬ。 その全てを具備しながら、全く無遠慮に、身に着けたものの音を隠さない。 忍びの理想の歩法を体現しながら、最も初歩的な禁忌を犯している。 なんて矛盾。なんて異常。なんて愚行。 追手の男たちも、怪訝そうに音の方向を警戒している。 少なくとも、男たちの仲間ではないらしい。 忍び里にほど近い、人里離れたこの森に、この奇妙な音。 一体、何者――? 「っしゃー! 発見(エンカ)したし! よろよろー!」 能天気な声が、一触即発の鉄火場に響いた。 思考が、停止する。 常にあらゆる奇策を想定し、その中でも冷静な判断を瞬時に弾きだす歴戦の忍びである女と、それに拮抗する経験を積んだ追手の男。 その二人の戦術思考をして、この状況の理解を、ほんの一瞬だけ脳が拒絶した。 明るく染められ、緩く巻かれたミディアムロングの髪。 着崩されたブレザー制服。 手にしたスマートフォンは無数のビーズでデコレーションされ、肩から下げられた鞄には無数のマスコットつきキーホルダーがぶら下げられている。 音を立てていたのは、このキーホルダーの金具だ。 そこにいたのは、女子高生であった。 ギャルっぽい、女子高生であった。 せめて武器でも隠し持っていたのならば、擬態の類と理解できただろう。 だが、その女子高生は、武器になるものを何も手にしていなかった。 武器を手にしたものが戦場に立てば、必ずそれをいつでも取り出せるような重心の偏り、あるいは意識からくる視線の動きのクセが発生する。 しかし、突然現れた女子高生には、その様子が皆無だったのだ。 今にも命のやりとりが始まる、その鉄火場に、完全な丸腰。 場違いという言葉すらまだ生ぬるい。 「――何奴――」 本来ならば忍びに不要な誰何(すいか)の声を上げた男を、女は愚かと断ずることはできなかった。 明らかに異質なものを前にして、当然の反応である。 だが、その「当然」こそが、忍者の奇策の付け込みうる隙なのだ。 (お嬢様。座標報告。壬乾、丑巽、酉乾三、卯兌、乙兌双、辰乾、子坎三 央離(伏兵の包囲網、うち5は樹上、1は真上)。都合十三にて) 抜け忍びの女の鋭敏な聴覚が、女子高生のデコスマホから微かに響いた音を捉えた。 一部の忍び衆の用いる、十二支八卦を用いた座標報告。 ならばこの女子高生(ギャル)もまた――忍びということか。 「委細承知(かしこまり)っ☆」 意識の虚を縫うように、女子高生の手が、十三回、精確に、大気を切り裂いた。 【者】 女子高生の手には、最後まで何も握られていなかった。 すぐ傍にいた女が、忍びとしての類まれな動体視力で視認したのだから間違いない。 だが、その手の振るわれた先には、苦無、手裏剣、鎖鎌、吹き矢――様々な得物を弾き飛ばされ、両断された追手たちがいた。 「畢竟(とりま)、このおねーさんは妾(あーし)ら――「ぱりなリサーチ事務所」が預かれりー。おっさんらは撤退要請(ひいてもろて)。よろ?」 女子高生は、抜け忍の女を庇うように立つと、場違いな明るさで言い放った。 ぱりな、リサーチ、事務所。 聞いたことがない。名前からするに、探偵事務所や、興信所の類だろうか。 「やれ」 しかし、謎の投擲による攻防で逆に冷静さを取り戻したのか、男の号令一つで木々の影から追手たちが動き出した。 全くわけのわからない存在から、明確な敵対存在へと、女子高生に対する認識解像度が上がったことによる即座のマインドセット。合理的な判断だと、女は感心した。 交渉の余地なし。 女子高生が何をしたのかはわからないが、武器を一つ跳ばしただけで、忍者が戦意を喪失するはずがない。 無数の剣を手の裏に隠し持ち、使い分けることこそ忍びの華であるのだから。 「爺や。準備完了(バってり)?」 (十全に) 胸ポケットにいれたデコスマホとの言葉少ない応答。 この女子高生の先ほどの動き、何も握ってはいなかったが間違いなく手裏剣術。 忍びの技だった。 であるならば――この少女にもまた、まだ、手の裏に隠し持った、忍びの華がある。 「――『手裏に秘するがしのぶの華よ(シノブレード)』」 踊るように、円弧を描くように、女子高生が大きく腕を振るった。 大気を斬るように。世界を切り取るように。 瞬間、ぽっかりと、空が切り取られた。 違う。錯覚だ。 視界を覆い、空を隠していた森の木々が、高い位置で横薙ぎに切り倒された。 折れた枝が、幹が、その下で隠れていた追手たちへと降ってきたのだ。 やはり、女子高生が「何かを投げた」ようには見えない。 暗器の類ではない。物理的な因果ではこの状況を説明しえない。 魔人能力。 認識によって世界を捻じ曲げる超常の力。 かまいたちを発生させるか、対象を断絶させるものか。 この女子高生の力は、おそらくそういった「斬撃」に属するものだろう。 切り落とされた枝、幹、葉といった落下物に追手たちが気を取られた、その時。 周囲から、無数の人影が押し寄せてきた。 抜け忍である女の知り合いでもない。 男が率いる追手の増援ではない。 第三勢力。――おそらくは、女子高生が引き連れてきた手勢。 身のこなしでわかる。忍者。 しかも、統率の取れた忍び里の精鋭たちだ。 してやられた。 これが、女子高生が、完璧な隠形、三無忍を体現できる技量をもちながら、あえてキーホルダーの金具がたてる音を隠しもしなかった理由。 あえて騒がしく近づくことで自分一人にのみ注意を引き付け、後に続く味方の隠形を完璧にするための囮となったのだ。 忍び同士の戦に、会話は不要。 何かを口にするならば、意味ある情報を求めるとき。 あるいは、言葉そのものが戦いの布石であるときのみ。 ならば、第一声のわざとらしく明るい大声も、突拍子もないギャル語も。 すべては、忍ばずして、味方の存在を隠すための布石。 不忍(しのばず)の、忍。 「っ!!」 次々と制圧されていく追手たち。 その中にありながら、追手の統率役であった男は、投げられる網を、縄を掻い潜り、抜け忍の女を目指して駆けた。 「なぜ! おまえは――! おまえばかり――!!!」 もはや敗北を悟ったからであろう。 忍びとしての術理に反して、吐き出すように叫ぶ。 分身めいた不規則な軌道で捕縛を避け、女に――そして彼女を庇う女子高生に、肉薄する。 「――今更、まともな、人間になど――おまえだけが――!!」 女子高生の動きが、わずかに鈍った。 「瞠目結舌(ちょま)……っ」 男の短刀が、女子高生(ギャル)忍者の手を掠め、赤い雫が白の肌に浮かぶ。 「……おっさんも(・)かよう」 だが、そこまで。 まるで鋭い刀に断たれたように、短刀の切先が宙を舞った。 「廉頗負荊(まじめんご)。妾(あーし)が助けられんのは、抜け忍(フリー)の人と、うちの社員だけだし」 女子高生の謝罪が、男の耳には届いたのか。 ぐらり、と姿勢を崩し、男が地面に倒れ込む。 その背後には、手にした杖で男を打ち据えた姿勢のまま残心する、白髪の老人がいた。 「お嬢様。まずは御身を第一に」 「感恩戴徳(あざまる)、爺や」 どこか寂しげに、女子高生は笑った。 【皆】 「うおおおおお、申し訳ございません、お嬢様あああああ、この爺が不甲斐ないばかりに! このような! お嬢様の玉の肌に傷を! 血を!」 「維摩一黙(だまてもろて)、爺や。無駄に血圧上昇(てんあげ)でぶち倒れるとか笑えないし」 抜け忍の女は、かしましいやりとりを繰り返す老人と女子高生をぼんやりと眺めていた。 女子高生の名は、不忍池ぱりな。 老人の名は、白烏(しろがらす)。 この女子高生(ギャル)、不忍池ぱりなは、かつて追い忍の里として名を馳せた、不忍池忍軍の、現棟梁だという。 古い忍び里でありながら、表の世界で興信所の資格を取って活動しつつ、忍び業界の離職トラブル――抜け忍の保護にあたっているのだと、ぱりなは言った。 「やっぱホワイト企業しか勝たん! この少子化で人材の使いつぶしとか朽木糞牆(なしよりのなし)だし!」 そう力説するぱりなに、女は呆気にとられ、言葉を失った。 「忍者ってば、常識(とーぜん)ひっくり返して活躍し(パリっ)てきたしょ? なのに伝統とか慣習とかでブラック化って、わかりみ浅くてむしろ濡れんわ」 忍びとは、生き方だと思っていた。 そう生まれたら、そう死ななければならない。 そんな、不可避な宿業だとすら感じていた。 だから、抜け忍となることに、命すら賭けるつもりでいた。 半ば、第二の生を諦めていたのだとも言えるかもしれない。 「だから、『忍び里働き方改革』ってわけ!」 だが、忍者とて、人なのだ。 そのため、人として自然な感情を押し殺さずとも、よいのだ。 そう、この少女は主張している。そのように、世界を変えようとしている。 (なぜ! おまえは――! おまえばかり――!!!) (――今更、まともな、人間に――) (瞠目結舌(ちょま)……おっさんも(・)かよう) (廉頗負荊(まじめんご)。妾(あーし)が助けられんのは、抜け忍(フリー)の人と、うちの社員だけだし) あの時の不可解なやりとり、彼女が動きを鈍らせた理由も、合点がいった。 追手の男に、忍道の束縛から逃げようとする女を妬み、「まともな人間」への憧れがあったとするのならば。 それは本来、不忍池 ぱりなが救いたいと願う存在、そのものだったからだろう。 「うち――不忍池忍軍は、『ぱりなリサーチ事務所』として生まれ変わったの。おけ? サビ残休出一切なし! 福利厚生制度完備! 守秘義務の範囲内で離転職の自由も確保! 今は個人事業だけど、お金を集めて知名度上げて、夢はでっかく法人化だし!」 「でしたらお嬢様。社長を目指すならまずは、そのじぇいけい? ぎゃる? 言葉をおやめになってはいかがかと」 「忍装七方出の最後っていえばJKだし。忍者の正式服装でそ」 「……七方出の第七装は常形(ふだんぎ)であって、JKではございませぬぞ……」 「妾(あーし)らの年齢の正装は制服だし! 常形はJK! かしこま?」 忍び世界への宣戦布告にも等しいやりとりにも関わらず、そのあまりの牧歌的な様に、女はくすりと笑いを漏らした。 それを目ざとく見つけ、ぱりなはデコスマホを構えて女ににじりよる。 「あ、お姉さん、笑った! いいじゃんありじゃん羞月閉花(きゅん)ですわー。 友プ撮る? 入社の証明写真代わり!」 入社? 自分が? どこに? 戸惑う女に、ぱりなは、なれなれしく肩を組みながら答えた。 「決まってるじゃん。ぱりなリサーチ事務所は、経験者採用も大歓迎! おねーさんは後ろ盾が出来て追手から身を守れる。妾(あーし)らは、ゼロから研修せずに優秀な人材をゲット! win-winってやつ!」 だが、自分のような外れものを匿っては、ぱりなの組織が迷惑を被るのではないか。 そんな懸念を先回りするように、白烏と名乗った翁が、からからと笑う。 「……お嬢様はすでに、貴女のような抜け忍を、何人も引き入れておりまする。心配御無用。我ら、不忍池の衆、生半可な追手に遅れを取る鍛え方はしておりませぬ故」 不忍池の忍び。 抜け忍狩りを本分とし、忍びの中でなお恐れられた最悪の忍びたち。 それが今、忍びの在り方を変えようと嘯くのか。 そんなことが、できると、本気で思っているというのか。 「本当に、できると、思っているのですか」 女は、ぱりなに問うた。 忍びという在り方がこの国に根差してから、長い時が過ぎた。 その間、変わらずにあり続けた因習を、宿業を、あなたは一代で覆せる気なのか、と。 その不躾な問いに、後見人であろう白烏翁は何も言わなかった。 おそらくは、彼もまた、少なからずそのような意見を持っているのだろう。 長く忍びの世界に身を置いているものほどに浮かび上がる、自然な疑問だ。 「当然!」 だが、不忍池ぱりなは、言葉に詰まることはない。 自然体の、どこか間違ったギャル口調で、それでも持論をためらうことなく口にする。 「妾(あーし)の名前は不忍池ぱりな。守破離だなんてまどろっこしい。 守るの一字は蹴っ飛ばし、”破”りて”離”す革命の”名”の女だし!」 明らかに愚かな、それでも、永遠を信じたいと思わせる、真夏の夜の宴を思わせる言葉だった。 【陣】 タッグ名:ぱりなリサーチ事務所 構成メンバー:不忍池ぱりな(しのばずいけ・ぱりな)、白烏(しろがらす) 参戦目的:自社のPR及び経営資金の獲得 【烈】 少女は、どのような言葉も口にしなかった。 父の亡骸を前にして。それでも、目を逸らさなかった。 ただ、ひとしずく、頬を伝うものがあり。 そこに忍ぶ想いに、男は、彼女を守ると決めた。 自分の手に、その資格がないのだとしても。 命を賭してすら、己が許されることがないのだとしても。 【在】 「――御館様。お嬢様は、この爺が、何に代えてでも――」 【前】
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まかべ探偵事務所(仮)とは まかべ探偵事務所(仮)とは、地方都市神楽市を舞台に、高校生の志藤一郎(16)と私立探偵を名乗る真加部喬太郎(30)が遭遇する様々な事件の解決の記録である。
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概要 このサイトは、同人サークル「後藤和智事務所OffLine」代表・後藤和智の商業・同人活動のポータルサイトです。 最新情報はこちら ブログ:「後藤和智事務所OffLine サークルブログ」 ※サークルブログを「はてなブログ」に移転しました。 facebook(サークル):http //www.facebook.com/kazugotooffice Twitter:kazugoto Amazon著者ページ(商業誌及びKindle電子書籍のお買い求めはこちらから) http //www.amazon.co.jp/-/e/B004LUVA6I プロフィールはこちら:プロフィール 商業活動はこちら:商業TOP 同人活動はこちら:同人TOP Web上での活動はこちら:WebTOP ニコニコ生放送での活動はこちら:ニコニコ生放送 各種サポートページはこちら:サポート リンク集はこちら:リンク集 プロフィールについてははてなプロフィールもご参照ください。 重要なお知らせ 同人サークル「後藤和智事務所OffLine」代表・後藤は、平成24(2012)年5月付けで住所を宮城県仙台市に移しました。 商業近況 10月11日に、5年ぶりの商業新刊『「あいつらは自分たちとは違う」という病――不毛な「世代論」からの脱却』が日本図書センターより刊行されました。 Amazon著者ページ:http //www.amazon.co.jp/-/e/B004LUVA6I お仕事について 商業・同人問わず、文章系、もしくは対談、インタヴューのお仕事を募集しております。若者論研究、ニセ科学・代替医療問題、表現規制問題、数学、統計学、防災教育論などを取り扱っております。詳しくは kgoto1984@nifty.com までメールをお願い致します。 なお、特定の企業の広告は現在引き受けておりませんのでご注意願います。 詳しくはガイドラインをご覧ください。 その他関連サイトリンク ブログ:「新・後藤和智事務所 ~若者報道から見た日本~」 ブログ:「後藤和智の雑記帳」 facebook(個人):http //www.facebook.com/kazutomo.goto.5 Twitterサブ(教育ニュースボット):Edunews_bot 詳しくは「ニュースボット」を参照。 ニコニコ生放送コミュニティ:「後藤和智事務所 ニコ生出張所」 mixi:http //mixi.jp/show_friend.pl?id=1127286 はてなブックマーク:後藤和智の若者論ブックマーク はてなアンテナ:若者論アンテナ Circle.ms サークルページ 同人近況 下記のイベントに出展します。 仙台コミケ219 開催日:2014年9月28日(日) 開催場所:夢メッセみやぎ(宮城県仙台市) JR仙石線「中野栄」駅より徒歩20分程度/宮城交通バス「仙台港フェリーターミナル」行き「夢メッセ前」下車すぐ/仙台東部道路「仙台港」インターチェンジより車で5分程度 スペース:「F」ブロック19 第10回東方紅楼夢 開催日:2014年10月12日(日) 開催場所:インテックス大阪(大阪府大阪市住之江区) 大阪市営南港ポートタウン線「中ふ頭」駅より徒歩3分程度 スペース:6号館「E」ブロック26b 第百二十九季文々。新聞友の会 開催日:2014年11月2日(日) 開催場所:京都市勧業館みやこめっせ(京都府京都市左京区) 京都市営地下鉄東西線「東山」駅より徒歩8分程度 スペース:「花」ブロック58 その他、当落待ち及び申し込み予定のイベント 2014.10.26 サンシャインクリエイション65 2014.11.9 杜の奇跡23 2014.11.23 コミティア110 2014.11.24 博麗神社秋期例大祭 2014.11.24 第19回文学フリマ(委託) 通販 「Stores.jp」に通販サイトを開設しました。一部同人誌はこちらで購入できます。https //kazugotoshop.stores.jp/#!/ 備考 このページは「@wiki」を用いて作成しております。
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主な業務内容(T14) ※残念ながら、全てのミスを発見することを保証するものではありません。(スタッフも人間なので、見落とし、勘違い等発生します。) T14から臨時編成の部隊(個人騎士団等)についても、罰則保証付きチェック、エントリー後チェック共に受け付けます。 1:エントリー記事のチェック及び、罰金保証 費用:1T 10億or25マイル 作業員:2人 依頼のあったエントリーについて、記事をチェックし、ミスがあれば訂正します。 チェック通過した記事について罰金が生じた場合は、全額を相談所が保証します。 チェック通過した記事は相談所がその時点で保存し、管理します。 以降の細かな訂正はぎりぎりまで受け付け、都度、保存記事を更新します。 保存記事とエントリーデータに差異が見られた場合(申告無くエントリーデータを弄った場合)罰金保証は無効となります。 予約締切:編成フェイズ提出期限の24時間前 2:エントリー済み記事のチェック 費用:5億or10マイル 作業員:1人 エントリーされて締め切られた記事について、事務所員がチェックを行います。 罰金は保証されません。 予約締切:随時公示 3:業務外のサービス 編成ルールについてわからないことや、疑問に思ったことなどの相談に乗ります。 藩国の状況などを調べた上で編成案についてもアドバイスすることが可能ですが、 あくまでもサービスでありゲームの成功を保証する物ではありません。 4:Q&A Q: ゲーム中に部隊の分割を行った際は、 例)2部隊に分割した場合 6×2=12億 のようにエントリー記事ごとに費用がかかるのでしょうか。 A: いいえ、そのようなことはありません。 編成相談事務所のチェック費用は分割前の1部隊についての費用になりますので、 分割部隊のエントリー記事ごとに費用を頂くようなことはありません。 /*/ Q: 掲示板ゲームが進むと、1判定ごとにエントリーするような形になると思いますが 例)5回判定した場合 6×5=30億 のように提出記事ごとに費用がかかるのでしょうか。 A: いいえ、そのようなことはありません。 編成相談事務所の費用はターン全体を通してのものとなっておりますので、 判定ごとに費用を頂くようなことはありません。
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ニコニコ動画/アイドルマスター/弱小事務所 2010-07-15 【リンク】 THE IDOLM@STER 公式サイト THE IDOLM@STER Wikipedia The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki アイドルマスター漫画第十四話「弱小事務所の我那覇 響」 アイドルマスター漫画第十三話「弱小事務所の四条 貴音」 アイドルマスター漫画第十二話「弱小事務所と水瀬 伊織」 アイドルマスター漫画第十一話「弱小事務所の三浦あずさ」 アイドルマスター漫画第十話「弱小事務所の天海 春香」後編 アイドルマスター漫画第十話 「弱小事務所の天海 春香」前編 アイドルマスター漫画 第九話「弱小事務所と四条 貴音」 アイドルマスター漫画 第八話「弱小事務所と悪徳記者」 アイドルマスター漫画 第七話「弱小事務所ともしもシリーズ」 アイドルマスター漫画 第六話「弱小事務所の萩原 雪歩」後編 アイドルマスター漫画 第六話「弱小事務所の萩原 雪歩」前編 アイドルマスター漫画 第五話「弱小事務所と我那覇 響」 アイドルマスター漫画 第四話「弱小事務所と星井 美希」後編 アイドルマスター漫画 第四話「弱小事務所と星井 美希」前編 アイドルマスター漫画第三話 「弱小事務所の菊地 真」 アイドルマスター漫画 第二話「弱小事務所とP」 アイドルマスター漫画 第一話「弱小事務所の765プロ」 ◇◆『ニコニコ動画/アイドルマスター』へ ◇◆『ニコニコ動画』へ
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【株式会社エーライツ】今井華に大歓声 ミニスカで最旬春スタイル披露【エーライツ マネージャー】 【株式会社エーライツ】今井華に大歓声 ミニスカで最旬春スタイル披露 東京ランウェイ 2015 S/S 【エーライツ マネージャー】 今井華(エーライツ所属) モデルでタレントの今井華が14日、横浜アリーナにて開催中のガールズファッションショー「東京ランウェイ2015 SPRING/SUMMER」に出演した。 「Samantha Thavasa」ステージに出演した今井は、パステルブルーのスウェットにチェックのミニスカート、靴下を合わせた今年の春らしいスポーティー×ガーリーのミックススタイルを披露。ステージに登場すると大歓声を浴びながら、笑顔で颯爽とウォーキングした。 ◆SPICY CHOCOLATE、今井華・清水翔太ら集結で豪華コラボ 「東京ランウェイ2015 SPRING/SUMMER」で「うれし涙 feat.シェネル&MACO」披露 (左から)シェネル、SPICY CHOCOLATE、今井華、MACO 「第57回グラミー賞」にノミネートされていたレゲエ・サウンド・クルーのSPICY CHOCOLATEが14日、横浜アリーナにて開催中のガールズファッションショー「東京ランウェイ2015 SPRING/SUMMER」に出演した。 1曲目「ずっと」を披露し、会場を一体にした後、2曲目として「うれし涙 feat.シェネル&MACO」を披露することになったSPICY CHOCOLATE。コラボレーションしたシェネル&MACOの名前を呼び、ステージに呼び寄せた。さらに、彼女たちが熱唱している中、ミュージックビデオに出演し、話題となった今井華もステージに登場。同イベントならではの、豪華コラボレーションステージを繰り広げた。 2曲目「I miss you feat. 清水翔太」では、清水翔太が実際にステージに登場。男らしい高音を会場中に響かせ、集まった観客18000人をしっとりさせた。 ◆「東京ランウェイ」初のバレンタイン開催 「東京ランウェイ」は日本最大級のリアルクローズイベントとしてアジアにも進出する人気ガールズファッションショー。第7回目となる今回は「ミックスカルチャー」をテーマに、蛯原友里、押切もえ、石田ニコルら豪華モデル陣やアーティストが多数出演。海外のハイエンドブランドを含む約30ブランドが最新コレクションを披露するほか、初のバレンタイン開催にちなみ山本裕典、山崎賢人、千葉雄大、吉沢亮らイケメンゲストも出演し、約18000人の観客を盛り上げる。 ⇒今井華に大歓声 ミニスカで最旬春スタイル披露 - モデルプレス ⇒SPICY CHOCOLATE、今井華・清水翔太ら集結で豪華コラボ<東京ランウェイ 2015 S/S> - モデルプレス ⇒「東京ランウェイ 2015 S/S」、過去最多の来場者数を記録 - モデルプレス ⇒【エーライツ所属】今井華に大歓声 ミニスカで最旬春スタイル披露【エーライツ仕事】 ⇒今井華、手作りバレンタイン「私はもうあげました」 - モデルプレス ⇒今井華オフィシャルブログ Powered by Ameba ⇒今井華プロフィール|A-Light Official Website ⇒エーチームグループオーディション|所属タレント|今井華 ⇒エーライツとは - はてなキーワード ⇒今井華とは - はてなキーワード 今井華(エーライツ所属) エーライツ オーディション エーライツ マネージャー エーライツ 大阪 エーライツ 契約解除 エーライツ 評判 エーライツ 費用 エーライツアカデミー エーライツ仕事 エーライツ所属 株式会社エーライツ